2年経った今の正直な感想
筆者はICLを受けて2年が経過した現時点で、「手術を受けてよかった」と心から感じています。
ただし、手放しの称賛ではありません。以下のすべてを体験・理解したうえでの結論です。
- 71万円という高額な費用を支払ったこと
- 初回の適応検査で「適応外」と判定され、一度はあきらめかけたこと
- ハロー・グレア(光の輪が見える現象)が2年経った今も完全には消えていないこと
- 術後7日間、顔を洗えない・シャンプーできない生活を送ったこと
それでも「やってよかった」と思える理由は、裸眼で生活できるようになったことで得られたQOLの向上が、これらのデメリットをすべて上回っているからです。
筆者が調べたところ、ICLの世界累計販売数は2026年2月時点で400万眼を突破しています。2019年に100万眼、2022年に200万眼、2024年に300万眼と加速的に増加しており、屈折矯正手術の選択肢としてICLが世界的に広がっていることが分かります。
出典:STAAR Surgical Press Release(2026)筆者のプロフィールとICL費用
- 年齢・職業
- 30代男性・会社員(子育て中・0歳児の父親としてスタート)
- 術前の視力
- 裸眼0.01レベル(強度近視)
- ICL費用
- 両目で71万円(乱視あり・3ヶ月検診まで込み)
- その他費用
- 通院の交通費程度。71万円以外に特別な出費はなし
- 術後視力
- 1.2(手術翌日〜2年間安定)
- 眼圧
- 15〜18(正常範囲で安定)
- 特記事項
- 初回検査で「前房深度が狭い」と適応外判定。執刀医との再相談で手術を決断
ICLを受けようと思ったきっかけ
きっかけは子育てでした。
子供が0歳の頃、夜泣きのたびに「メガネを探す→かける→子供を見る→大丈夫そうなら外す→置く→寝る」という一連の作業を何度も繰り返す毎日でした。裸眼では何も見えない強度近視だったため、メガネなしでは子供の状態すら確認できません。
「もし裸眼で見えたら、ちらっと見て寝られるのに」——この思いがICLを検討する直接のきっかけになりました。
レーシックではなくICLを選んだ理由
視力矯正手術にはレーシックという選択肢もありますが、筆者がICLを選んだ理由は以下の3点です。
- 可逆性:ICLはレンズを取り出せば元の状態に戻せる。レーシックは角膜を削るため不可逆的。将来何が起きるか分からないからこそ「元に戻せる」選択肢を選びたかった
- 強度近視への適性:眼科で相談した際に「角膜を削る量が足りないということはないとは思うが、レーシック専門のところで相談した方がいい」と言われた。自分の強度近視を考えるとICLの方が安心だと感じた
- 子育ての切迫感:夜泣き対応・メガネの不便さは「今」の問題。将来の技術進歩を待つ余裕はなかった
「適応外」判定から手術決断までの経緯
ICLを受けると決めてから、最初にぶつかった壁が「適応外」判定でした。
初回の適応検査(無料)で、「前房深度が基準値より狭い」という理由で適応外と判定されました。前房深度とは、ICLレンズを挿入するスペースのこと。これが基準値より浅いと手術のリスクが上がるとされています。
一度はあきらめて帰宅しましたが、「少しでも可能性があるなら」と思い直し、再度通院してICLの執刀医と直接話す機会を得ました。
執刀医の説明は、「確かに基準値より低いが数パーセントの差。経験上そこまで深刻ではないと思う。ICLは自由診療なので、執刀医である私と患者さんが納得できるなら手術は可能」というものでした。
リスクを理解したうえで手術を決断。結果として2年間まったく問題なく経過しています。
詳細記事:ICL適応外と言われた体験談|同じ病院で結果が変わった経緯まずは無料の適応検査で自分の眼の状態を知ることから
ICLを受けられるかどうかは、適応検査を受けなければ分かりません。筆者も検査を受けて初めて自分の眼の状態を把握できました。
無料で適応検査を予約する※検査を受けても手術の義務はありません
手術までの流れ
筆者の場合の手術までのステップは以下のとおりでした。
- 初回適応検査(無料):→ 適応外と判定
- 再検査(執刀医との相談):→ 手術可能と判断。レンズの度数を決めるための精密検査と採血
- レンズオーダー:自分の眼に合わせたレンズを注文。届くまで約3週間
- 手術3日前:抗菌目薬の点眼開始(1日4回)
- 手術当日:朝10時頃に手術。左右合わせて約30分
初回検査が無料だったので、金銭的リスクなく最初の一歩を踏み出せたのは大きかったです。
手術当日の体験【時系列で記録】
手術当日の経過を時系列で記録します。
- 手術前:散瞳目薬を点眼。瞳が開くまで待機
- 手術中(約30分):痛みはなし。麻酔追加時に少し染みた。眩しさとレンズ挿入・洗浄時の圧迫感はあり
- 手術直後:白いモヤがあるが体感0.5程度は見える。右目下部に内出血(見た目は派手だが痛みなし)
- 術後1時間:涙が止まらない。目やにがすごい
- 帰宅:とにかく眩しくて一人では歩けない。妻に最寄り駅まで迎えに来てもらった
- 20時頃:メガネと同程度に見えるようになった。ハロー・グレアがはっきり見える
- 就寝:保護メガネをつけて寝る。首から下のシャワーは浴びた
翌日〜1週間の経過
| 日 | 視力 | 眼圧 | 主な出来事 |
|---|---|---|---|
| 翌日(検診) | 1.2 | 17 | 白いモヤ消失。手元にやや合いづらさ。物の輪郭がくっきり見えて感動 |
| 2日目 | — | — | 目の赤み少し引く。「水でバシャバシャ顔洗いたい」気持ちが強まる |
| 3日目 | — | — | 目薬ほぼ染みなくなる。デスクワーク完全復帰 |
| 4日目 | — | — | 妻に頭洗ってもらう。めっちゃさっぱり。目薬は完全に染みない |
| 7日目(1週間検診) | 1.2 | 17〜19 | 「乱視もキレイに修正できた」洗顔・洗髪解禁。目薬も段階的に終了へ |
1ヶ月〜2年の経過記録
| 時期 | 視力 | 眼圧 | レンズ | 主な変化 |
|---|---|---|---|---|
| 1ヶ月検診 | 1.2 | 15 | 問題なし | 最後の目薬も終了。完全に通常の生活へ |
| 2ヶ月 | — | — | — | ハロー・グレアが気にならなくなった |
| 3ヶ月検診 | 1.2〜1.5 | 15〜18 | 問題なし | 「今後は半年〜1年後に来てね」とのこと。3ヶ月検診まで費用込み |
| 1年検診 | 1.2 | 16〜18 | 問題なし | 順調。保険診療で数千円 |
| 2年経過 | 1.2(両目) | 16〜18 | 問題なし | 視力・眼圧ともに安定。乱視ズレなし |
ICLで変わった日常生活
ICLを受けて変わった日常の具体的なシーンを記録します。
- 夜泣き対応:メガネを探す→かける→外す→置くの工程がなくなり、「ちらっと見る→寝る」に。夜中に何度も起きる時期の負担が激減
- 肩車:子供にメガネをベタベタ触られる問題が解消
- 運転:フレームの制限がなくなり視野が広がった。度なしサングラスも使えるように
- 災害への備え:メガネもコンタクトも不要で裸眼で動ける安心感
- メガネ選びの自由:分厚いレンズを隠すための太いフレームを選ぶ必要がなくなり、純粋にデザインで伊達メガネを選べるように
- 起床時:目を開けた瞬間からくっきり見える。この感覚は2年経っても毎朝嬉しい
ICLのメリット・デメリット|2年間の実感
筆者が感じたメリット
- 起床直後から裸眼でくっきり見える
- メガネ・コンタクトの日常的なストレスから完全解放
- 子育て(夜泣き・肩車)との相性が抜群に良い
- 可逆性があり、万が一の場合はレンズを取り出せる
- サングラスが使える、運転時の視野が広い
- 災害時の安心感
筆者が感じたデメリット
- ハロー・グレアが2年経っても完全には消えない(慣れて気にならなくなった)
- 費用71万円は高額(医療費控除で一部取り戻せた)
- 術後7日間の洗顔・洗髪制限が地味にきつい
- 生命保険の手術給付金は筆者の契約では対象外だった
- 定期検診が推奨される(筆者は年1回通院)
ICLに向いている人・向いていない人
筆者が「ICLに向いているかもしれない」と感じる方:
- 強度近視で、長期的なコンタクトレンズの費用負担に悩んでいる方
- 可逆性(レンズを取り出せる)を重視する方
- 子育て中・災害時の備えなど、裸眼で動けることにメリットを感じる方
- ハロー・グレアを「出る前提」で受け入れられる方
慎重に検討された方がよいと感じる方:
- 費用71万円の捻出が家計に大きな負担となる方(ただし医療費控除で十数万円は戻る)
- 夜間の光の見え方に敏感で、ハロー・グレアが許容できない可能性がある方
- 軽度近視で、メガネ・コンタクトで十分に不便を感じていない方
最終的な適応の判断は、眼科専門医の検査・診断に基づいて行われます。適応検査は無料の病院も多いので、まず自分の眼の状態を知ることが第一歩です。
まとめ:ICLを受けてよかったか?
2年間を振り返った筆者の答えは、「間違いなく受けてよかった」です。
71万円を支払い、適応外と言われ、7日間顔を洗えず、ハロー・グレアは今も完全には消えていない。生命保険の給付対象外だった。それでも「やってよかった」と言い切れるのは、裸眼で生活できるようになった2年間の体験が、それらすべてを上回っているからです。
夜中に子供が泣いた時、ちらっと見るだけで済む。肩車してもメガネを触られない。災害が起きても裸眼で動ける。朝、目を開けた瞬間からくっきり見える。——この当たり前の日常が、強度近視だった筆者にとっては何物にも代えがたい価値です。
なお、ICLの患者満足度については、2003年の米国白内障屈折手術学会での追跡調査(369眼)で99.4%が満足と回答。2018年のSTAAR社レジストリ調査(1,500名以上)でも同じく99.4%が「同じ手術を再度受ける」と回答しており、筆者だけでなく世界的に高い満足度が維持されています。
出典:ASCRS学会発表・STAAR Surgical公式レジストリ(2003/2018)この記事が、ICLを検討しているあなたの判断材料の一つになれば幸いです。
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本記事にはアフィリエイト広告が含まれています。本記事は筆者個人の体験を記録したものであり、特定の医療機関・術式・製品を推奨するものではありません。ICL手術の効果・リスク・費用には個人差があります。視力矯正手術をご検討の方は、複数の眼科専門医に相談のうえ、ご自身の判断で決定してください。